君の答えを、教えて。
二階の教室に足を踏み入れた瞬間、頭が真っ白になった。

ボブくらいの髪にスカートは太ももより少し下くらいの、明らかに寒そうな格好をした女の子がいる。

その子の手の中には、あの白いノート。

ミッション、失敗。

そして気づいた時には彼女からノートを奪い取っていた。

頬が濡れた。

「え……」

彼女はぼーっとしてわたしを見つめ返してくる。

「これ、見ましたか?」

どうにか平常で見えるように試みる。

「っ、すみません……」

やっぱり。

ダメだった。

もっと早く来れば良かった?

いや、違う。

もういい。
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