君の答えを、教えて。
「……殺してくださいっ」

その間涙は止まらなくて、自分でもどうして泣いているのか分からなかった。

声が震える。

身体も、震える……。

「あの、これ、誰にも言わないでください」

「ごめんなさい」

「こちらこそ、ご迷惑おかけしました」

どうしてか、連絡先を交換してから彼女は自分のクラスに戻っていった。

久しぶりに泣いた。

久しぶりに感情を外に出した。

自分の机で新しく追加された彼女の連絡先を眺める。

優月(ゆつき)と言うらしい。

苗字は知らないけど。

初めての家族以外の連絡先。

ノートとスマホを腕の中に、机に突っ伏してもう一度静かに泣いた。

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