君の答えを、教えて。
小鳥のさえずりで目を覚ました、なんて童話みたいな絵本みたいな世界ではない。

……あくまでわたしの見える世界では。

そんなこんなで久しぶりのお出かけに相当気が緩んでいるらしい。

服は深い青のサロペットに白いレースの襟付きシャツ。

スカートはないかと探しに探したのにひとつも見つからなかった。

まともな服がこれで、今になってもっと女の子らしさが欲しかったなと嘆いた。

まあでもこれはこれでいい。

まだ許容範囲。

肩までの髪をストレートにして下ろした。

髪はいつも通りで凝ってないんだけどね。

立ち鏡の前で自分を眺めて「まあいいや」とひとこと残して家を出た。

ちなみに親は不審な目を向けていた。

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