跡取りドクターの長い恋煩い
親友に相談
 結局、食事をお断りすることは出来なかった。

 宗司くんに言ったことは本当で、宗司くんをちゃんと知りたいと思っている自分がいるのは事実なのだ。
 
 それに、ずっと好きだったと言う告白は素直に嬉しかった。
 まさか本当に小学3年生から私だけを想っていてくれたなんて思いもしなかったけど、それも嬉しかった。

 つまり、現時点で私はかなりの高確率で宗司くんを好きになりかけているのだろう。

 だって、宗司くんってどこをとっても非の打ち所がないんだもの!

 正直、あの綺麗なお顔はずっと眺めていたくなるくらい私好みだ。
高学歴で大病院の跡取りというスペックの高さにプラスして、美味しいものを作ってくれるというスキルまである。

何より、隣の部屋にいてくれるという安心感が私にとっては一番大きなことだった。

 社会人として、はじめて親元を離れての一人暮らし。実家まで快速に乗れば一時間もかからないとはいえ、少なからずホームシックにかかっていたのだ。

 そんな私にとって、幼馴染であり隣人でもある宗司くんが、毎日世話を焼いてくれることはとても有難くて、彼が私の精神安定剤的役割をしてくれていることは間違いなかった。
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