跡取りドクターの長い恋煩い
宗司くん、すごいな。
ただ長男だから跡を継ぐんじゃなくて、ちゃんと努力を惜しまない人なんだ。
でもそれは、この入職してからの短い期間の中で私が見てきた宗司くんの姿とぴったり重なる。
「アクアパッツァできたぞー!」
でん、と置かれたオーバルの器には、まるごと一尾使った鯛が鎮座し、その周りに魚介とオリーブやミニトマトが煮込まれて彩を添えていた。イタリアンパセリを散らされたそれは、シェフが作ったと言われても納得するほどの出来栄えだった。
「うわ~! すっごく美味しそう!」
「笑美里、兄ちゃんのアクアパッツァは最高なんだ!」
昌宗くんが満面の笑みで言う。
「そ、そうか?
こんなもので良かったらいくらでも作るぞ」
宗司くんが少し照れて嬉しそうに返す。
この二人もとっても仲良しの兄弟なんだな。
そして宗司くんのこの言い方はいつもの事。
でも、あの時の私が感じた気持ちと今とでは全く違うことに私は気づいた。
今の私は、この照れくさそうにしている人を愛おしいと思う。
宗司くんが取り分けてくれたアクアパッツァはとっても美味しかった。
そのあとに作ってくれた生ハムと水菜のパスタも最高だった。
ただ長男だから跡を継ぐんじゃなくて、ちゃんと努力を惜しまない人なんだ。
でもそれは、この入職してからの短い期間の中で私が見てきた宗司くんの姿とぴったり重なる。
「アクアパッツァできたぞー!」
でん、と置かれたオーバルの器には、まるごと一尾使った鯛が鎮座し、その周りに魚介とオリーブやミニトマトが煮込まれて彩を添えていた。イタリアンパセリを散らされたそれは、シェフが作ったと言われても納得するほどの出来栄えだった。
「うわ~! すっごく美味しそう!」
「笑美里、兄ちゃんのアクアパッツァは最高なんだ!」
昌宗くんが満面の笑みで言う。
「そ、そうか?
こんなもので良かったらいくらでも作るぞ」
宗司くんが少し照れて嬉しそうに返す。
この二人もとっても仲良しの兄弟なんだな。
そして宗司くんのこの言い方はいつもの事。
でも、あの時の私が感じた気持ちと今とでは全く違うことに私は気づいた。
今の私は、この照れくさそうにしている人を愛おしいと思う。
宗司くんが取り分けてくれたアクアパッツァはとっても美味しかった。
そのあとに作ってくれた生ハムと水菜のパスタも最高だった。