跡取りドクターの長い恋煩い
 「宗司くん、私ね、正直に言うとちょっと誤解していたの」

 「誤解?」

 「瑞穂が幼馴染だって知って、ひょっとしたら宗司くんと瑞穂は特別な関係だったのかもって」

 「は? あり得ない。
瑞穂は小さい時から昌宗の傍にべったりだ。それこそ赤ちゃんの時からな。だから俺にとってはセットで弟妹ってくくりだ」

 「うん。それは今日でよくわかった」

 「笑美里、それって……もしかしてやきもち?」

 「……そうなんだと思う。
あんなに素敵な幼馴染がいるのに、なんで私? って思ったし、宗司くんのこと何でも知っているみたいで……敵わないって思ったの」

 マジかー!
 笑美里がやきもちを焼いてくれた‼
 瑞穂、サンキュー!
 今度は瑞穂の好きなスパークリングロゼも買っておくからな!

 ああ、俺、幸せだー!
 今までの努力、俺のスパダリ修行、全部認められた気分だった。

 「だからね、私ももっと宗司くんのこと知りたい」

 「笑美里……」

 う、さ、触りたい。
でも俺、触らないって約束したよな?
 もういいんだろうか。笑美里も俺のこと好きだって言ってくれたんだから、いいんだよな?
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