跡取りドクターの長い恋煩い
思い出の写真
 時刻は午後九時半。
 ずっと料理をしていてほとんど飲めなかった宗司くんのために、飲みなおすことを提案した。
一度自室に戻り、シャワーを浴びてから宗司くんの部屋に戻る。

 正直、ドキドキしていた。
 恋愛初心者同士の私達だ。何かがあるとは思えないけど、でも想いを伝えあったからには何かが起きるかもしれない。

 下着良し。ルームウエアも良し。
一番お気に入りの薄紫の gelato pique だ。

 お隣りへ行くと、宗司くんもルームウエアに着替えていた。

髪が少し濡れているからシャワーも浴びたのだろう。

 「笑美里大丈夫か? 眠くなっていないか?」

 「全然大丈夫だよ。そんなに飲んでないし。
それに私何もしてないし。
 宗司くんこそ、ずっとキッチンに立ちっぱなしで疲れたんじゃない?」

 料理のできない私は、何品も作ると聞いただけで大仕事だと思ってしまう。

 「いや、むしろいろいろ作れて満足してるんだ。あいつら思いっきり食べてくれたし」

 なるほど。作り甲斐があったってことね。
食べるだけなら私も協力できるんだけどな。
 
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