跡取りドクターの長い恋煩い
 お付き合いすることになったとはいえ、昨日結ばれたばかりで両親に紹介するのはちょっと恥ずかしい。

 でも、宗司くんは絶対に挨拶をする!  と言ってきかない。もう好きにさせよう。
 
 私が小さなキャリーバッグを持って駐車場に行くと、宗司くんが車の前で待っていてくれた。

 VOLVO XC40のフィヨルドブルー。
私がずっと憧れていた車だった。
 
 「この車可愛い!
 私、免許はあるけどペーパーで。いつかちゃんと練習して、自分の車が欲しいと思っていたのがこの車なの!」

 兄がVOLVO XC90に乗っていて、購入する時に私もついて行ったのだ。そこで一目惚れしたのがこの車だった。

 でも、これって宗司くんが乗るには少しコンパクトな気がするんだけど……。
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