跡取りドクターの長い恋煩い
 「後は、笑美里の気持ち次第だと思っていた。
 ……笑美里、お前にとって宗司は感謝だけか?」

 「私は……」

 「幸太郎、その続きは俺が」

 「……ああ、そうだな」

 宗司くんが突然立ち上がり、私の前に跪いた。
 え? ちょっと待って! これって……?

 「笑美里、ずっと、ずーっと好きだった。
噴水の前で笑美里にキスされた時から、俺には笑美里しかいない。これから先も俺は笑美里のことしか愛せないと思う。
 重いかもしれないけど、でも大切にするから、俺と結婚してください!」

 「宗司くん……」

 お互いの両親と、兄夫婦がいる前で堂々とプロポーズの言葉を言ってくれる。
 私が尊敬している誠実なところや責任感の強いところが垣間見えて、本当に宗司くんらしいプロポーズだった。

 「宗司くんの一途に想ってくれるところも、誠実なところも、責任感が強いところも、全部好き。だから…………はい! 末永くよろしくお願いします!」

 「笑美里! あ、ありがとう……」

 え? ……うそ、ちょっと涙ぐんでる?
 感極まったのだろうか、宗司くんの目が赤い。
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