跡取りドクターの長い恋煩い
 ドクン、と心臓が鳴った。
 ヤバい……。
 肩がなんでこんなに柔らかいんだ?
 そう言えば昔、笑美里はどこもかしこも柔らかいって思ったんだっけ。

「あったかい……」

「……」

 これは、もっと撫でろって言うことか?
 試しにもう少し広範囲に撫でてみた。
 もちろん布団から出ている左の肩と腕だけだ。
 やっぱり柔らかい。吸い付くようなその肌の感触に、俺は夢中になった。

「……んー……もっと……」

 笑美里は半分寝ながらも俺の服を掴み『もっと』を要求してきた。

 ドクン、とまた心臓が鳴った。
 いいのか?
 左肩だけじゃなくて『もっと』って?

 そこからの俺の行動は早かった。
 スーツのジャケットはすでに笑美里を介抱した時に脱いでいた。
さらにカッターシャツとズボンを取り払う。
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