クールな許嫁の甘い独り占め。



「咲玖!」
「蒼永!!」
「ごめん、待った?」
「全然待ってないよ!」


部活終わりにわざわざ迎えに来てくれる私の許嫁、めっちゃ優しい…!!好き!

自然と手繋いで帰ってくれるところが、もっと好き!!


「なんかご機嫌だね」
「えへへ、バイト先でね〜素敵なお友達ができたんだ!」
「そう、よかったね」
「うん!バイトも頑張れそう!」


何より蒼永の誕生日が待ってるんだから!

ここで悩むのがプレゼント。蒼永はとにかく物欲がない。
何が欲しい?と聞いても特にない、としか言わないし。
去年はどうしたっけな〜。確か部屋着に使えそうなジャージをあげたっけ。

…そういえばあれ、今も使ってくれてるな。

その前にあげた時計も、そのまた前にあげたキーホルダーも。
考えてみれば蒼永って、私があげたものなんでも使ってくれる…。


「咲玖がくれるなら、なんでも嬉しいよ」


いつだったかの誕生日前に、何が欲しいか尋ねたら返ってきた言葉を思い返す。

あの時は何も考えてなかったけど、あの時から私のこと好きでいてくれたから…なんだよね。

やっぱり、今年の誕生日は特別なものにしたい。
蒼永に生まれてきてくれてありがとうって伝えられるような、そんな大切な日にしたいな。


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