クールな許嫁の甘い独り占め。


やっぱり紫帆ちゃんって優しくていい子だな…。


「実は私、紫帆ちゃんにヤキモチ妬いてたの…」
「えっ!?」
「ごめんね!でも今はそんなことないから!」
「ううん、そんなこと…!
てゆーかあたし…、ほんとのこと言うとリュウのことちょっと好きだったんだよね」

「そっ、そうだったの!?」
「あっでも今は違うよ!?」


桃ちゃんの予想、当たってた……。


「ごめんね、でもリュウにはずっと許嫁がいるの知ってたし、あたしと普通に喋ってくれるのは友達だからっていうのもわかってたから…。
気持ち伝えようとかは考えたことなかった」

「そっか…」

「あの時も咲玖ちゃんのこと、本気で大切に思ってるんだなってよくわかったし。
あたしも咲玖ちゃんのこと大好きだなって思ったから!」

「私も紫帆ちゃんのこと大好きだよ…!」

「ありがとう!」


やっぱり、紫帆ちゃんと友達になれて本当によかった。
今は中学の時の写真を見ても寂しいだなんて思わない。


「蒼永ってどの写真も同じ顔だよね」
「基本仏頂面だよね!これとか、笑ってって言ったのに」
「全然笑ってない…」
「ねー!」


こうやって笑い合えるのが嬉しいな。


「ほんと咲玖ちゃんの前でしか笑わないんだなって思ったよ。愛されてるんだなって」

「そ、そうかな…」

「あ、照れてるかわいい」

「やめてよー!」


これからも紫帆ちゃんとは仲良くしていけますように。


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