クールな許嫁の甘い独り占め。
「あ、蒼永〜」
「何?」
「ちょっと部屋で宿題してるね!」
「宿題ならリビングでやれば?」
「部屋の方が集中できるし!」
「この前は集中できないからリビングでやるって言ってなかった?」
過去の自分のバカやろう……。
まだ飾り付けが途中なんだけど…!!
でも、蒼永がキッチンに立ってケーキを見つけられても困るしな…。
「そ、そうだったね。やっぱりリビングでやろうかな!」
リビングで宿題をすることに。
何の時間なんだろうと思いながら。
いや宿題はしないといけないんだけど。
「……」
「……」
「あの、蒼永」
「ん?」
「そんなに見られると気が散るんだけど…」
「ああ、ごめん。S組と内容違うのかなと思って」
確かにS組のが難しそう。
ああでも、首席じゃなければ成績はそこまで関係ないんだっけ。
「蒼永は宿題いいの?」
「もう終わった」
「終わったの!?」
夏休みの宿題を夏休み前半に終わらせるなんて、幻だと思ってたんだけど!?!?
「最近咲玖がバイトでいないから、部活がないと暇で」
「そ、そっか…」
蒼永って趣味とかないもんな…。子どもの頃から武道の稽古ばっかりしてたから…。
それにしても暇になったから宿題しよう、の思考にいくのがすごいけど。
私なら遊んでる。
「咲玖、そこ違う」
「え?」
「これはこの公式を使って…」