クールな許嫁の甘い独り占め。


蒼永に言われた公式を当てはめてみたら、スラスラ解けた。


「できた!え、こっちは?」
「これは…」


蒼永に教えてもらいながら進めていくと、びっくりするくらい解ける。
数学は苦手でいつも赤点スレスレの私が。

え、ほんとにすごいんだけど。


「蒼永ってそんなに頭良かったの?」
「うーん、テストはそこそこに留めてる。
うちの学校って上位30位は貼り出されるじゃん?
あれに載りたくなくて」

「え、そうなの?」
「目立ちたくないし。
悪くてもじいちゃんにどやされるから、いい塩梅狙うのが大変」


つまり、毎回手抜いてるってこと?
本気出したらめちゃめちゃ上位に入れるってことでは??

私の許嫁ハイスペすぎか??

いやでも確かに、頭まで良いってなったらもっとモテちゃうよね…。

蒼永のおかげで宿題は順調に進み、ふと時計を見たら


「――えっ!?11時!?」


嘘、あと1時間しかない…!!


「蒼永、ありがとう!ちょっと私その…、やらなきゃいけないことがあって…。
部屋にこもります!!」

「え?」

「絶対覗かないでね!!あとまだ寝ないで!!」


そう言い残し、ダッシュで最後の準備を整える!
バルーン膨らませて飾って、ウォールデコも飾ってかわいくして…。

これから寝るけど、気持ち髪を整えて、リップだけぬる!
今日のためだけにかわいいルームウェアも買っちゃったんだから…!!

日付が変わるまで、あと1分!


「蒼永ーー!!ちょっと来て!」

「何?」

「いいから!」


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