クールな許嫁の甘い独り占め。
ガチャリ、と扉が開く音とともに、パーン!とクラッカーの音が弾ける。
「蒼永、ハッピーバースデー!!」
「…え」
「16歳おめでとう!」
何とか間に合ったし、日付もピッタリ0時だ!
最後はバタバタだったけど、何とかなってよかった…!
「HAPPY BIRTHDAY」のバルーンにハート型、透明の中にキラキラが入ったバルーンやウォールデコなど、飾り付けも頑張りました!
ブルー系でまとめたのがこだわりポイントです!
「…誕生日、忘れてた」
「えーー!?」
「何かあるんだろうとは思ってたけど…ありがとう」
忘れてたところが蒼永らしいけど、ふわりとした笑顔にキュンとする。
「ケーキも焼いたんだよ!」
「ああ、コーヒーのやつ?」
「見たの!?」
「いや思いっきり匂いしてたじゃん。
オーブンに入ってたし」
気づかれてたか…。
「まあ、いいや!食べよう!」
「今から?」
「深夜のケーキなんて背徳的でしょ?」
「そうだね」
私はオーブンからケーキを取り出し、最後の仕上げとしてチョコペンで「Happy Birthday Aoto」と書く。
もしバレた時のためにメッセージは書かないでおいたんだけど、正解だったな…。
「じゃーん!」
「すごい」
「味見する余裕はなかったので、味の保障はできないんだけどね…」
忘れずに写真を撮り(超大事!)、切り分けたケーキをお皿に乗せる。
蒼永が一口パクッとするのを、緊張しながら見守る。