クールな許嫁の甘い独り占め。



「うまい」

「ほんとに!?」

「ほんとに」

「蒼永ちゃんと味わかってる!?」
「人を味音痴みたいに言わないでよ…」


自分でも一口食べてみて、ビタースウィートなコーヒーの味と香りが広がった。


「おいしいかも!?」
「だから言ったのに」


よかった〜〜!ちゃんとおいしく作れた…!!


「ありがとね」
「うん!あとね、プレゼントもあるよ!」


白い箱に黒いリボンがかけられた、シックな縦長の箱を渡す。


「ありがとう。開けていい?」
「もちろん!」

「…!ネックレスだ」

「シンプルで使いやすいかなって。サークルは『永遠』とか『途切れることのない愛』って意味があって…すごくピッタリだと思ったんだ」


私の蒼永への想いもそう、毎日膨らんで大きくなって、途切れることがない。
この愛はきっと永遠のもの。

これからもずっと。


「あと、私も普段は指輪をネックレスにしてるから…おそろいみたいになるかなって」


もちろん今は左薬指にはめてるけどね。


「気に入ってくれたら…きゃあ!?」
「ありがとう」


ぎゅうっと抱きしめられ、驚きつつも背中に手を回して抱きしめ返す。


「すごく嬉しい。咲玖がくれたものならなんでも嬉しいけど」

「…言うと思った」

「咲玖、」


顎を少し持ち上げられ、顔を近づけられて――


「――待って!!」

「え、今?」

「もう一つプレゼントがあるから!!」


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