クールな許嫁の甘い独り占め。
でも、俺を見る怯えた目はあの時と変わらない。
「やっぱりそうだ。久しぶりじゃん」
なんで何も言わねぇの?
「俺のこと忘れたなんて言わないよなぁ?」
なんでずっと黙ってんだよ。
俺と目を合わすどころか、気まずそうに逸らしやがって。
その怯えた小動物みたいな目やめろ。
違う、違うんだ。
別に怖がらせたいわけじゃねぇのに。
俺はただ――…、
「――俺の許嫁に触るな」
お前にもう一度笑って欲しいだけなんだよ。