クールな許嫁の甘い独り占め。


「いやいや咲玖ちゃんがすごいんだよ!ありがとう!!」


えへへ、喜んでもらえて嬉しいなぁ…。
かわいい女の子見てると私も嬉しくなっちゃう。


「咲玖!次もお願い!」
「はーい!」


ほんとに休む暇もないけど、それだけ多くの人に来てもらえて、こうして私も役に立ててると思ったら、それだけで頑張れちゃうんだ。


「咲玖、ぼちぼち交代しましょ。そろそろ他のヘアメイク係来るから」
「わかった!」
「お疲れ様〜」
「大志くんと桃ちゃんはこの後どうするの?」
「一緒に回りに行くよ」
「そっか」
「そうだ咲玖、これ」


桃ちゃんに何やら紙袋を渡される。


「何これ?」
「あんたの衣装よ。せっかくの文化祭なんだし、今のうちに着替えたら?」
「でも、この後調理部もあるから…」
「いいから着替えてきなさい!!」


なんかわからないけど、桃ちゃんの圧の強さに押され、わかったと答えた。
もしかして、着替えないと見ていられないって意味かな…。


「てか遅くない?」
「あ、桃、あそこだよ」


大志くんが指差した先にいたのは。


「え……っ!!」


思わず手で口を覆ってしまった。
人混みをかき分けて、こちらに向かってくる蒼永は…、


まさかの執事姿!!!!
黒い燕尾服に白手袋、黒いネクタイをカチッと締めて、髪型もいつもと違ってセットしてる。

いつもの百億倍カッコイイんですが…??
キラキラオーラがダダ漏れすぎて、周囲からは悲鳴のような黄色い声が上がっている。


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