クールな許嫁の甘い独り占め。
どういうことなの!?
私の許嫁がイケメン執事になってる…!!
「わー蒼永くんめちゃくちゃ似合ってるね」
「コスプレ写真館に完成度高いコスプレで来るんじゃないわよ。営業妨害なの?」
「別に…着替えるなって言われるから」
「てかなんで看板三つも持ってるの?」
「なんか持たされた…」
三つの看板の内、一つは「1-S 執事&メイド喫茶」、一つは「空手部の焼きそば」、もう一つは「剣道部の串焼き」と書かれている。
「なるほど、要するに客寄せパンダね」
「蒼永くんが執事姿で歩いてたら宣伝になるもんね〜」
「九竜がまともに接客できると思えないし、賢明な判断だわ」
「好き勝手言うな。それより咲玖は?」
「そこで固まってるわよ」
「……ハッ」
「あ、起きた」
「蒼永めちゃくちゃカッコイイね!!後で写真撮ってもいい!?」
「いいよ」
「やった〜!」
こんなチャンス、滅多にないもんね!
そういえばS組は執事&メイド喫茶だって言ってたなぁ。
まさか蒼永が執事役やると思ってなかった…!!
「じゃ、私たち行くから」
「またね!」
「バイバーイ。…えっと、蒼永は?」
「咲玖のこと迎えに来た。まだ時間あるでしょ?」
「えっ、うん」
「じゃあちょっと休も」
「一緒にいられるの…?」
「そのために来たんだよ」