クールな許嫁の甘い独り占め。
これは蒼永からの独占欲の証。
恥ずかしくて仕方ないし、てかそんなことされなくても着替えるのに、しばらく消えないでほしいと願う私がいる。
それに、どちらかと言うと私より蒼永の方が…
他校生もいっぱい来てるのに、そんなにカッコよすぎるともっとモテちゃうじゃん…。
「…私も付けたい」
「え?」
「私だって、独り占めしたいもん…っ」
蒼永は私のものだから。
「…咲玖、ほんとに帰したくなくなるんだけど」
「わっ、私だって一緒にいたいけど…!」
みんな待ってるし…!
「じゃあ、付けて。独り占めしてよ」
ネクタイを緩め、襟元を大きく開いて、そこから覗く首元ってなんていうか…すごく色っぽくない?
今更大胆なことを言ってしまったと思ったけど、後には引けない。
ドキドキしながらゆっくり唇を寄せて、強く吸い付いた。
こ、これで合ってる…!?
キスマークなんて初めてだよ…っ!
「よくできました」
「っ、ほんとにもう行かなきゃ!」
「はいはい」
「あと着替えるからまた後ろ向いててね!」
「わかったって」
後ろを向いたのを確認して、まずベールを取る。
このベール、どこから持ってきたんだろう…桃ちゃんってば。
「――咲玖」
「え?」
振り向いた瞬間に、今日何度目かのキスをされた。
「愛してる」