クールな許嫁の甘い独り占め。
「……っ!?」
「誕生日おめでとう」
「それは聞いたし…っ、もうっ!こっち向かないでって言ったのに…!!」
「まだ着替えてないじゃん」
クスクス笑いながらまた後ろを向く蒼永。
いつも私ばかりドキドキさせられっぱなしで、なんだかずるい。
それにさっき、「愛してる」って……。
こんな風に胸が高鳴って、どうしようもなく泣きそうになって、それでもずっと隣にいたい。
この先の未来、何が起こるのかわからないけど、喜怒哀楽もそれ以上も、全部蒼永と分け合えたら良い。
ずっとふたりで手を取り合って歩いていけたら。
それだけで幸せな鼓動が聞こえてくる。
この胸の高鳴りの一拍一拍を大切に刻んで、これからもずっと大切にしていきたい。
何十年先も蒼永の隣にいるのは、私がいいな。
「私も愛してるよ、蒼永」
これからもずっとずっと、私のこと独り占めしてね。
fin.