クールな許嫁の甘い独り占め。


どうやらここまで来るのに結構苦労したみたい。
モテるのも大変だなぁ。


「大志と春日井、あんまり変わらないね」
「そうかな?」
「あんたは華麗なる成長を遂げたわね。普通科でも騒がれてたわよ」
「めっちゃ疲れた…」
「友達できた?」
「わかんない」
「頑張ってよね〜」


小学生からの仲良し四人組が久々に集まった。
なんかこの感じ、すっごく懐かしくて落ち着くなぁ。


「そうだ、蒼永は知らないと思うけど、大志くんと桃ちゃん付き合ってるんだよ」
「ふーん」
「反応薄っ」
「いや知ってたし。大志から聞いて」
「ちゃんと報告したよー」
「大志はたまに連絡くれるよね」
「まあね」
「うう…ありがとう大志くん!これからも蒼永と仲良くしてあげてね」
「何それオカン目線?」


この他愛もないやり取りがすごく楽しい。
蒼永だけクラス違うけど、たまにこうやって四人でお昼一緒にできたらいいな。


「ところで蒼永くん、何部に入るの?」
「一応空手と剣道の兼部?」
「何それキッツ!」
「まあ一応どっちにも籍は置くけど、練習は自由みたいな…大会は必須参加だけど」
「それ、大会が被ったらどうするの?」
「一応今のところは大丈夫って話だけど」
「大変だね〜」


蒼永が特待生として編入する際、空手部の顧問と剣道部の顧問で揉めたらしい。
どっちも是非入部して欲しいと打診され、結局は兼部することになったそうだ。


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