クールな許嫁の甘い独り占め。



「だから咲玖、一緒に帰れないこともあるけど、帰れる時は迎えに行くから」
「え、別にいいよ。大丈夫だよ」
「ダメ。俺がそうしたい」
「あらあら、見せつけてくれるわね〜」


桃ちゃんがニヤニヤと私たちを見つめる。
なんか二人にこの感じ見られるの恥ずかしいな…。


「や、やめてよ」
「九竜も大変ね。許嫁が鈍ちんで」
「大丈夫。誰にも渡さないから」
「九竜…言うようになったわね」
「蒼永くんは昔からカッコよかったよね」


最後はなんか私だけ除け者感があったけど、そんな感じで昼休みが終わった。


* * *


放課後。早速それぞれの部活に顔出ししなきゃいけないので、蒼永は帰りが遅くなる。
桃ちゃんと大志くんはデートだ。

うーん、どうしようかな。
朝ごはんは蒼永に作ってもらったから、夕飯は私が作ろうかな。
でも私、料理はほとんどしたことない。

蒼永、疲れて帰ってくるだろうから甘いものでも作ってみる?


「……よしっ」


マフィンとか作ってみようかな!
マフィンならこの前大志くんに作り方教えてもらったし!私でもできそうな気がする!

私は帰宅し、着替えてから近所のスーパーに向かった。マフィンの材料の他に生活用品も買った。
生活費は毎月両家から振り込まれることになっていて、これをやりくりしなさいと言われてる。
無駄遣いできないし、ちゃんと家計簿つけないとな。


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