クールな許嫁の甘い独り占め。
「…あ…」
どうしよう、拒絶したみたいになっちゃった…。
「ごめ、」
「ごめん」
蒼永……?
「ちょっと外の気に当たってくるから…先に寝てて」
「あ、蒼永…」
蒼永は背を向けて部屋から出て行ってしまった。
どうしよう、絶対蒼永のこと傷つけた…。
違うの、嫌だったわけじゃないの…ただびっくりしちゃって…。
触られたのが嫌なんじゃない、そうじゃないの――…。
なのに、なんでこうなっちゃったんだろう…。
* * *
「……。」
「……。」
翌朝。
四人で朝食を食べてるけど、どことなく空気が重い…。
「ちょっとなんかあったの?」
「僕も知らないんだよ…」
「なんでクリスマスの朝がこんなにもヘビーな空気なのよ!?」
「だから知らないって!」
大志くんと桃ちゃん、声漏れちゃってるよ…。
なんか、ごめんね…。
「…今日はどうする?今日は僕たちもスキーやろうと思ってるんだけど」
「また別行動でもいいわよ」
「あ、今日は」
「今日は四人で滑ろう」
思いがけず、蒼永が提案した。
「せっかく一緒に来てるんだし」
「あ…そっか、そうだね」
「わかったわ」
それにホッとしてしまってる自分がいる。
クリプレも渡しそびれちゃってるけど、今は二人きりになるのがちょっと気まずいや…。