クールな許嫁の甘い独り占め。
…私、このまま死んじゃうの…?
せっかくのクリスマスで、初めてみんなとの旅行だったのに。
ものすごく楽しかったのに、あんなことになっちゃって…まだ蒼永と話せてないのに…。
このまま蒼永と会えなくなっちゃうの…?
「…っ、やだよぉ…っ」
私、まだまだ蒼永と一緒にいたい。
これからもずっと、一生蒼永の傍にいたい。
このまま死ぬなんてやだよ…っ。
お願いだから、私の体、動いて――…!!
「…っ、咲玖!!」
あれ、蒼永の声が聞こえる……?
「咲玖…っ、よかった…!!」
助け起こされて、そのままぎゅっと抱きしめられる。
あったかくて、蒼永の匂いがする。
そうわかった時、涙腺が崩壊した。
「あ、あおと…っ!!」
「咲玖…」
「もうあえないかとおもった…っ」
「もう大丈夫だよ」
ほんとにだめかと思った…。
こんな吹雪の中で、絶対見つけてもらえないって…ものすごくこわかった……。
「咲玖、顔よく見せて」
「うう…っ」
「鼻が赤くなってる…寒かったよね」
「さむかったけど、それ以上にこわくて…っ」
「うん」
「なんで見つけてくれたの…?」
「咲玖のことだから」
蒼永はもう一度ぎゅっと抱きしめる。
「何があっても、絶対見つける」
「蒼永…っ」
蒼永の胸の中で、泣きじゃくりながら思い出していた。
…そうだった、蒼永はあの時も見つけてくれて、抱きしめてくれたよね――。