クールな許嫁の甘い独り占め。
3.かわいい許嫁 side.A
祖父に言われて生まれた時から決められた許嫁。
でも、俺はそんなの無意味だと思ってる。
咲玖自身が望んでくれなきゃ、咲玖自身が俺と結婚したいと思ってくれないと意味がない。
「蒼永ー!この髪型変じゃない!?」
「かわいいよ」
「ありがとう!」
あんまりかわいくなると他の男たちに見られるから嫌だけど。
でもそんなことは言えない。
咲玖は好きでおしゃれしてるから。
咲玖はそのままでもかわいいけど、鏡の前で一生懸命綺麗におしゃれしてる姿もかわいい。
正直久々に再会して、目眩がするかと思った。
久しぶりに会った許嫁が、あまりにも綺麗になってて。家族がいる前で抱きしめたくなったくらいには。
「咲玖はいつもかわいいよ」
「…っ!?や、やめてよ…」
だって本当のことだから。
5年も会えなくて咲玖不足すぎて、全然足りない。
最近は俺のこと意識してくれてるのか、照れてくれるようになった。
それがまたかわいい…。
めちゃくちゃ抱きしめたいけど、あんまりやりすぎてもダメだ。
せっかく意識してくれるようになったんだから。