クールな許嫁の甘い独り占め。
以前天野が言っていたこと、転校が多い分その時の出会いを大切にしたい。
例え短い付き合いだとしても、一人一人の顔と名前を覚え、男女関係なく仲良くする。
そんな天野の周りにはいつも人が集まっていた。
俺はそんな天野のことを、人として尊敬している。
最初は馴れ馴れしいなと思ったりもしたけど、すごく周囲に対して気遣いのできる奴だと思った。
「ごめんね、恥ずかしいとこ見せたね。もう大丈夫だよっ。リュウが追い払ってくれたから多分もう来ないと思うしっ」
「俺はそうは思わない」
「え?」
昔咲玖が不審者にストーカーされてたことがある。
そいつはずっと咲玖に目をつけ、見張っていた。恐らく誘拐しようとしていたと思う。
俺が気づいて、親に連絡したからそいつはすぐに捕まり、咲玖はストーカーされてたことも気づかずに終わった。
変に怖がらせることもなく捕まえられて良かったけど、それ以来なるべく咲玖の傍を離れないようにした。
何があっても俺が咲玖を守れるように。
「そういう奴が簡単に諦めると思えない」
咲玖を狙ってた奴もそうだ、しつこく付き纏って狙っていた。
「俺が一緒に帰るよ」
「えっ!?」
「男と一緒なら諦めるかもしれないし」
「ダメだよ!そんなの悪いって!」
「何かあってからじゃ遅いでしょ」