クールな許嫁の甘い独り占め。
私も気合い入れてかわいいカッコしてきたつもりだけど、子どもっぽかったかな…?
どうしよう、彼女に見られなかったら……
「咲玖?」
「はっ」
「何してるの?」
「あ、いや別に…」
蒼永がカッコよすぎて気後れしてたなんて、恥ずかしくて言えないよ…!!
「ごめん、待った?」
「いや、待ってないけど…」
「ど、どうかした?」
「……かわいすぎて驚いただけ」
「ふえ、」
は、破壊力ーーーー!!!!
破壊力抜群すぎて変な声しか出せなかった…。
「ほら、入ろう」
「うんっ!」
最初からドキドキが止まらないけど、デートスタートです!
大型の魚や小さくてかわいい魚たちが、悠々と泳いでいる。大きくて強そうなサメ、幻想的なクラゲたち、まんまるボディがかわいいアザラシまで!
「かわい〜〜!!」
写真を撮る手が止まりません!
「蒼永!こっちにペンギンいるよ〜!」
「ほんとだ」
「覚えてる?昔家族で遊びに来た時、蒼永に何が見たい?って聞いたらペンギンって答えたの」
「なんとなく。なんでペンギン見たかったのかは覚えてないけど」
「その時さ、嬉しかったんだよね。蒼永はいつも私に合わせてくれてたから、自分からリクエストしてくれて」
旅行でどこに行きたい?と聞かれたらいつも答えるのは私。蒼永はどこでもいいとしか答えない。