クールな許嫁の甘い独り占め。
「だからペンギン好きなんだ!と思ってなんかすっごく嬉しかったんだよね」
「…、思い出した」
「え?」
「咲玖がTV見て言ったんだよ、ペンギンが見たいって」
「え、そうだっけ?」
「そう。だから咲玖が喜ぶと思って」
えっ?つまり私のためだったの?
「全然覚えてなかった…!てか結局私に合わせてくれてるじゃん!」
「俺は咲玖と一緒ならどこでも楽しかったから。咲玖の喜ぶ顔が見れたら、それで充分だった」
「…!」
「今みたいにね」
優しく微笑みかけられて、胸の奥がキュッとなった。
なんで蒼永はそんなに私のこと好きでいてくれるんだろう…?
私のどこが好きなのか、純粋に聞いてみたい気もする…。
* * *
イルカショーも見て水族館は満足感たっぷりで帰った。近くのレストランで遅めのランチを食べ終わっても、まだ帰る時間には早い気がする。
まだ帰りたくないな…あ、そういえば!
「ねぇ蒼永、ドラッグストア寄ってもいい?」
「いいよ」
「私の好きなヨーチューバーさんがね、新作ドラコス紹介してくれてて、いくつか欲しいのがあるんだよね」
「ドラコス?」
「ドラッグストアのコスメのこと」
「ああ…」