クールな許嫁の甘い独り占め。
あるかなぁ、あるかなぁ…あった!!
「これ〜!!このチークとリップ使ってみたかったの!」
「ふーん」
「色はどれにしよう…今の手持ちから考えるとこっちかなぁ…」
自分の持ってるコスメを思い浮かべながら慎重に吟味する。
「これにする!!」
散々悩み、オレンジ系のチークとリップを買うことにした。オレンジはあんまり持ってないから、新しいメイク開拓してみよう!
「咲玖、ついでにいるもの買ってくる。洗剤が切れそうだったから」
「え、私も行こうか?」
「大丈夫、店の外で待ってて」
そう言って蒼永は日用品売り場の方へ行ってしまった。
…やってしまった…。
私ってば自分の買い物ばっかりで、本当に必要なもののこと忘れてた…。
一緒に住んでるんだもん、しっかりしないとダメだよね…。
「かわいいですね」
プチ凹みしてたら、知らないお兄さんに声をかけられた。
かわいいですね、って…何のことだろう??
「お姉さん、すごくかわいいですよね」
――えっ、私のこと!?
「さっきからずっとかわいい人がいるなって見てたんです。良かったらお茶しませんか?」
「えっ!?」
「美味しいケーキのお店知ってるんです。ご馳走しますよ」
「いえ、私は…っ」