クールな許嫁の甘い独り占め。
男女混合のクラス対抗リレーでは、前の子が転んで最下位になっちゃったけど、蒼永が巻き返して返り咲いた。
いやもうとにかくすごいんです。
なのに素直に応援できないのつら……。
「落ち込んでても仕方ないでしょ。会えるだけいいじゃない」
「そうだけど…」
「まあまあ。ところで二人とも、今日は髪型気合い入っててかわいいね」
「当然!私は勝負には真剣よ」
実はかなり気合い入ってる桃ちゃんは、お団子ヘアにまとめ上げてる。崩れないようにしっかりワックスで固め、勝つ気満々。
桃ちゃんは運動部じゃないけど、かなり足速い方なんだよね。
私は編み込みツインテールを白いリボンで結いてみました。久しぶりに蒼永に会えるかも、なんて思ったらつい…。
「私なんか何にも貢献できないのに…髪型ばっかり気合い入れてすみません…」
「今日のさっちゃん、ネガティブだね…」
「放っておけば?」
何故親友同士でこうも対応が違うのでしょうか…。
「てゆーか咲玖、あんたそろそろ出番じゃないの?」
「そーだった!」
運動苦手、足も遅い私はガチな競技ではなく、玉入れと二人三脚に参加します。
もうすぐ玉入れだった!急がないと!