クールな許嫁の甘い独り占め。


わ、私も欲しい…!!
後で蒼永にお願いしてみよう!


「ちなみに女子の間だと、好きな人にリストバンドもらうの流行ってるよね」
「そうなの!?」
「うん、第二ボタン的な?」


えっ、ということは……?


「ねぇ九竜くんってリストバンドしてたよね?」
「してたしてた!」
「よかった!何とかもらえないかな〜」


や、やっぱり…!!
案の定めっちゃ狙われてるじゃないですか…!!
早く交換してもらわないと!


「S組の九竜くんは2,3年生も狙ってるって噂だよね」
「もはや学年一のイケメンって有名だもんね」
「そ、そうなんだ〜…」


うわーーーん許嫁がモテすぎるのも考えものだよ!!
てゆーか蒼永、今どこにいるんだろう…。

蒼永はほとんどの出番が後半だった気がするんだけどな…。
その時、


「っ!?」


急に背後から誰かに引き寄せられたかと思うと、そのまま壁際に連れて行かれた。
バックハグされて、身動きが取れない。


「――えっ、蒼永!?」
「しっ」


え、え、どうなってるの…!?


「九竜くーん!」
「あれー?こっちで見かけたんだけどなー」


背後から知らない女子の声が聞こえた。
どうやら蒼永はこの人たちから逃げてたみたい。
やがて声が遠くなったのを確認し、解放してくれる。


「はぁ、やっと行った」


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