心霊現象 研究同好会


智樹さんとした話を倉本くんにも言いたいけど、みんなが居るところだと言えない…よね。

だからって変に誤魔化すと、それはそれで変な風に思われそうだし……。



「えっと……その……」



言葉が上手く出ない。

助けを求めるように智樹さんに視線を向けると、何かを察したような顔のあと、ニッコリ笑顔を見せた。



「あーごめんごめん、愛しの彼女ちゃんが俺みたいな奴と二人きりだったらそりゃあ心配するよなっ。 でも大丈夫、全然まーったく心配するようなことはないから安心してくれっ」



……察したような顔って、そっち!?

違う違うっ!!

そうじゃないよっ!!



「智樹さん、違いますからっ。 彼氏とか彼女とかそういうのじゃないですっ」

「あれっ、そうなの? 親密そうに見えたからてっきりそうかと思ったけどー」

「ほんっとに違いますからっ!!」



幸い、廊下には私たちしか居ないけど……もしも彼氏だ彼女だなんて話が倉本くんのファンに聞かれたら、殺される……。



「んんー? 彼女ちゃんは否定してるけど、彼氏くんから何か言いたいことは? 真実と違うなら訂正していいよ?」

「え? あー……彼氏彼女ではない…ですね。 同じ部活の仲間なんで、普通よりは仲が良い。 って俺自身は思ってますけど」

「お、つまりは後々ラブの予感?」


「いや、ライクの方です。 諏訪のことをそういう対象として見るのは一生無理なんで」



と、ビックリするくらいにハッキリと言う倉本くん。

いや、うん……ハッキリ言ってくれた方がいいんだけど、一生無理と間髪入れずに言われちゃうと、少し悲しいような、ショックなような……そんな複雑な感情になる。

まぁ私も倉本くんに対して恋愛感情は持ち合わせていないから、同じように問われたら同じように答えるだろうけど……。


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