心霊現象 研究同好会
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【 諏訪 芽衣子side 】
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オリエンテーション合宿、一日目の午後。
私たちは今、プレイホール…学校の体育館に似た場所に居る。
これから約二時間ほど、ここでレクリエーションが行われる予定だ。
レクリエーションと聞くと、みんなでワイワイ楽しくゲームをするというのをイメージするけど……今からするのはそんなに楽しいものではない。
だってこれから行われるのは、クラス対抗のドッジボールだから。
力と力のぶつかり合い。
本気の戦いが待っている。のだけれど……、
「じゃあ如月くんは見学っつーことで、俺が見てますんでー」
……誰が見ても顔色が悪いと気づくほど真っ青になってる如月くんは、ドッジボールに参加するのは絶望的だ。
先生には「ここよりも部屋に行って休んだ方が」と言われたけど、みんなと離れるのを拒んだ如月くんの強い希望により、この場所に留まることとなった。
そしてその如月くんのそばで様子を見る役目となったのが、運営の手伝いをしに来た智樹さん。
……その智樹さんのそばに女性の幽霊が居ることは、如月くんには絶対に黙っていよう。
とにかく。
そんなこんなでクラス対抗ドッジボールが始まった。
──試合は総当たり戦で、二試合同時に行われる。
全部で五クラスだから、最初は私たちのクラスが見学となった。
私と穂乃果ちゃんと沙綾ちゃんはクラスメートから少し離れた隅のところに居て、倉本くんと龍泉寺くんは、今は如月くんのそばに居る。
男子たちは一緒に居る智樹さんと何か話しているけれど……さすがに私たちのところまで会話は聞こえてこない。
でも如月くんを除くメンバーはみんな穏やかで時々笑顔も見えてるから、ただ単に雑談をしているのかもしれない。
というのを遠目に見ていた時、沙綾ちゃんが声をかけてきた。
「ねぇ、芽衣子に聞きたいことがあるんだけどさ」
「ん?」
「芽衣子って幽霊が見えてるよね?」
「……えっ!?」
「ちょ、静かに静かにっ。 周りにバレたら困るじゃんっ」