心霊現象 研究同好会
離れたところに居る男子たちを見ながら、穂乃果ちゃんは言葉を続けていく。
「龍泉寺くんは絶対秘密にしてくれるし、何かあった時は力になってくれると思う。 如月くんはー……怖いのが苦手だから全然力にはならないだろうけど、でも内緒のことを無断でベラベラ言いふらす人ではない…と思う。 ていうかあの三人メッチャ仲良いし、仲間意識も強いと思うからきっと大丈夫だよっ」
「うん、私も穂乃果と同じ意見。 龍泉寺くんは絶対頼りになるし、如月くんは…まぁどうでもいいけど。 でも仲間外れにした時の方がギャーギャー騒ぎそうだから、言っちゃってもいいんじゃないかな。 って思うんだけど、芽衣子はどう?」
……確かに、あの二人なら大丈夫だと思う。
というか、智樹さんが自分の体質のことを言ったあとでも結構普通に受け入れてる感じだった。
驚きはするだろうけど、でもきっと受け入れてくれるはず。
「……私も、話しても大丈夫だと思う。 それに、みんなと情報を共有していく方が危険も減るだろうしね」
「だね。 じゃあ早速男子たちのところに行こっ。 試合はまだまだかかりそうだし、こういうのは早い方がいいからっ」
「うんっ」
三人で笑い合ったあと、倉本くんたちのところへと移動する。
周りの人たちには「班のメンバーを心配して」と見えるだろうけど、実際は違う。
私の力のことを話すためだ。
物心ついた時から幽霊が見えていたこと。 それが原因で小中学校では気味悪がられ、一人だったこと。 そして今は両親と離れて祖父母と暮らしていること……話の流れで色々なことをみんなに伝えた。
さすがに、卒業式の前日の話はしなかったけどね。
「──えっと……以上です。 聞いてくれてありがとうございました」
少し緊張しながらペコリと頭を下げる。
ずっと誰とも視線を合わせずに話してたから、みんながどんな表情をしてるかはわからない。
それに、今は全員が無言。
さすがに引かれてしまった……?
と思った時に、誰かが私の頭をポンと叩いた。