心霊現象 研究同好会


「えーもしかしてこれ、一人ずつ何か言ってく流れ? 私は言わないよ?」



と、沙綾ちゃんが笑う。

色々と重い話をしたのに、いつもと一緒の態度で……それが逆にありがたい。



「ていうかそろそろ試合が終わるっぽいし、この話は一旦ここで終わりだね」



行われてる試合に目を向けると、片方は既に決着がついており……もう一方の試合もそろそろ終わりそうだ。



「さーてと、芽衣子を虐めた奴らに対するイライラと敵チームにぶつけるぞー」

「沙綾、ナイスアイデアっ。 全力でぶつけまくろっ」



立ち上がった沙綾ちゃんはグルグルと腕を回して、すっかり戦闘モード。

そしてその横の穂乃果ちゃんは、私を見ながらニコニコと笑っている。



「めいちゃんも、チョー本気でやろうねっ?」

「……うんっ、もちろんっ」



穂乃果ちゃんも、いつもと変わらない。

変に同情されたりとかそういうこともなく、本当に本当にいつも通りだ。



「諏訪」



そして、ちょうど向かい側に座っていた倉本くんもいつもと同じ様子だ。



「みんな味方だよ」



と言って笑い、私の肩をポンと叩いてから立ち上がった。


「裕翔。 俺らは試合してくるけど、裕翔はどうする? 予定通り休憩しとく? それともみんなと一緒に全力でボールをぶつけに行く?」

「こんっな話を聞いたあとに一人でダラダラ休憩なんかしてられるかっつーの。 全力で行くに決まってるだろっ」

「お、完全復活。 じゃあ頑張ろう」


「俺に全部任せとけっ」



顔色が良くなった如月くんが、ピョンッと勢いよく立ち上がる。



「諏訪っ、俺が敵を全部ぶっ潰してやるからなっ」

「あ、ありがとう……」

「よっしゃ行くぞっ」



……物凄い変わりようだ。

素直というか、単純というか……。

でも、如月くんも私のことをちゃんと受け入れてくれたから嬉しいな。


みんな、本当に良い人だ。

この人たちと一緒の班でよかったし、仲間でよかった。 って本気で思う。


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