心霊現象 研究同好会


多分…私は今、冴えない顔をしてるんだろうな。

みんなと会ったら心底心配されてしまうような……そんな酷い顔なんだと思う。


だから如月くんは一人でみんなのところに行ったんだ。

私が、少しでも落ち着けるようにって。



「……さてと。 じゃあみんなが来る前にもう少しだけ話そうか」



微笑んだ智樹さんが、空を見上げながらフゥー……と息を吐いた。

深く、深く。

どこか遠くへ思いを馳せながら。



「桜井から電話が来たあと、俺はやっと自分の口で言ったんだ。 「ほんとは見える人間なんだ」、「黙ってて悪かった」って。 そしたらアイツ、もうギャーギャーギャーギャーうるさくて全っ然 話になんねーの。 つーか言ってることがメチャクチャで、要点を得てなくて。 倉本くんがどんな感じのメッセージを送ったかはわかんないけど、それを見てパニックになってたのは間違いないな」

「……はい。 先輩のあんな声は、初めて聞きました」

「あー、なんかごめん。 少し落ち着いたかなーと思って食堂での諏訪ちゃんのことを話したら、最初よりも更にパニックになっちゃってさ。 それを(なだ)めてる時にちょうど諏訪ちゃんたちが来たから、もう面倒になって丸投げしちゃったんだよね。 ビックリさせちゃってごめんな」



申し訳なさそうな顔をする智樹さんに、顔を横にフルフルと動かす。

智樹さんが謝る必要なんてない。

だって、悪いのは自分だから。


私が全部、百パーセント悪いんだ。



「……桜井先輩は、「友達を思って行動するのはとても立派なことだ」って言ってました。でも、「だけどそれは自分自身を蔑ろにしてもいいってことではないよ」っても言っていて。 ……私は本当に、何もわかってなくて…自分の手に負えない無謀なことを見切り発車でやろうとしてたんだなぁ、って……改めてそう思いました」


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