心霊現象 研究同好会
胸の奥がズキズキと痛む。
電話が切れる直前の、先輩の声は……私を突き放すようなものだった。
それが何度も何度も頭の中で繰り返されて、そのたびに胸の痛みが増していく。
「……先輩は、私のことを心配して言ってくれた…って、わかってます。 でも、電話を切る時の先輩は……私を突き放すような感じでした。 突き放されてしまったら、もうどうすればいいのか わかりません」
ずっとずっと、周りから距離を取られた状態で生きてきたから。
突き放されることには慣れてる。 って、思ってた。
だけど、桜井先輩に突き放されたら……胸が苦しくてどうしようもない。
もう、どうすればいいのか わからない。
一緒に笑い合うことも、冗談を言い合うことも…今までは普通に出来てきたことが、出来ない……。
桜井先輩が今まで通り接してくれたとしても、私には……難しい……。
「……ごめんなさい。 こんなことを言ったって、智樹さんを困らせちゃうだけなのに……」
「ううん、俺は大丈夫。 ……桜井はさ、諏訪ちゃんのことを突き放したっていうか、自分の感情がグチャグチャだから上手く言葉が出せなかっただけだと思うよ」
微笑んだ智樹さんは、立ち上がったあとにグーッと背伸びをして……それから、玄関の方に向かって手を振った。
見れば、同じ班のメンバーがこっちに向かって手を振っている。
自習室の方に向かった三人と、先輩たちへ連絡するために部屋へと戻っていた倉本くん、そしてさっきまで一緒だった如月くん。
いつの間にか班のメンバー全員が揃っている。
そのみんなの後ろからは、他の班の人たちが続々と出てきた。
……もうそろそろ、休憩時間が終わる。
このあとはカレー作りをして、それが終わったら夜の散策……。
まだまだ先は長いけど、こうやって智樹さんと二人で話せる時間は…もうそんなに残ってはない。