心霊現象 研究同好会
それとは反対に、班のメンバーが近くにやって来る。
最初に声をかけてきたのは、倉本くんだ。
「諏訪。 女性の幽霊の話は俺から先輩たちに連絡しといたよ。 それと、智樹さんのことも。 智樹さんに「力のことを先輩たちに話していいか」って確認したら、オッケーもらったからさ。 グループメッセで送ったから、あとで諏訪も内容確認しといてね」
……いつもと変わらない様子だから、智樹さんと桜井先輩が先輩後輩の関係性だっていうのはまだ知らないみたい。
だったら私も、まだ黙ってた方がいいよね。
今はまだ、先輩たちの繋がりを言うべき時ではない。
それを言ったら、結局 班活動どころではなくなってしまいそうだしね……。
だから私は、内容を確認するということに対してだけ「うん」と頷いて答えた。
そして次に声をかけてきたのは沙綾ちゃんだ。
「芽衣子。 穂乃果と龍泉寺くんね、付き合うことになったよ」
「わっ……本当にっ……?」
「うん。 まぁお互い照れまくっててあんな状態だから、先は長そうだけどねぇ……」
と、呆れた様子で二人へと視線を向けた。
穂乃果ちゃんと龍泉寺くんはお互いに顔を赤くしながら、人一人分くらいの距離を開けつつ横並びになっている。
チラチラとお互いの様子を窺いながら、目が合うと更に顔を赤くして、慌てて目を逸らす。
けれどもまた、チラチラと相手に視線を向ける。 ……なんてことを繰り返していた。
目が合うだけでお互い真っ赤になるくらいだから、確かにこれは…進展するまで随分と時間がかかりそうかも……。