心霊現象 研究同好会


「……ひとまず、前の班の人たちと合流しよっか。 このあとどうするかをみんなで話し合おう」

「「 うんっ 」」



前の班の人たちが慌てた様子で駆けてくるのを見て、それぞれに頷き合う。

向こうの班の女子はみんな泣きそうで、男子たちも困惑した様子だった。

だけど「先生を呼ぶ」というのは全員一致の意見だったから、そこからは速かった。


まず、池のそばに居る如月くんたちと合流し……「誰が先生を呼びに行くか」との話になったけど、前の班の男子の一人がコッソリとスマホを持ってきていたので、それを使って事務所へと連絡をすることが出来た。

レクリエーション中のスマホの所持は禁止されていたけど、これはありがたかった。

だって、そのおかげで先生たちはとても速く駆けつけてくれたから。


男の先生が三人と、養護担当の女の先生が一人、それから……智樹さん。

計五人の大人の姿を確認した私たちは、今度こそ心の底から安堵した。

まぁ…智樹さんは“何か”を感じたみたいで、ずっと険しい顔をしてたけどね。


……フラフラと池に向かって歩いていたあの人は、最初は気を失っていたけれど今はもう目を覚ましている。

彼女は…倉本くんのファンの子。 いわゆる「過激派」のメンバーの一人だ。

ドッジボールのあと「優勝おめでとうっ!!」と大音量で声がけしていたのを覚えている。


……目を覚ましたあとの彼女は、びしょ濡れになってしまった倉本くんを見てオロオロとし、申し訳なさそうに何度も何度も謝っていた。

もちろん「過激派」だから、倉本くんにだけ謝っている。

一番最初に駆けつけた如月くんのことも、同じくびしょ濡れになってしまった龍泉寺くんのことも目に入っていないみたい。

まぁ、元気そうで何よりだけど……。


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