心霊現象 研究同好会


そして更にみんなが興奮する出来事が起きた。

それは、警察官の到着だった。

しかも一人や二人ではない。 十数名の警察官が施設にやってきて、現場となった池のそばへと向かっていくのが部屋の窓から見えた。


ただ事ではない。

それはもう、誰が見ても明らかだ。

だけど私たち生徒に下りてくる情報は何一つなかった。

何も知らされないまま、消灯時間となり……私たちはそれぞれのベッドに入る他なかった。


──真っ暗な部屋で、最初はヒソヒソ声が聞こえていたけれど……それでも時間が経つにつれて声は段々と聞こえなくなり、寝息の方が聞こえてくるようになった。

合宿は長距離のウォークラリーから始まって、ドッジボールもしたし、慣れない夕食作りもあったし、夜の散策でもかなりの距離を歩いた。

どんなに興奮する出来事があったとしても、みんな相当疲れてることに変わりはない。

かく言う私も、もう瞼を開いているのは限界だ。


結局そのまま、私はベッドに入って十数分の間で眠りに落ちた。

スマホの電源は切ったまま、一切触ることもなく……。



──そして、翌朝。

いつもよりも早く寝た結果、起きる時間もいつもよりも早くなってしまった。

本当はもっと寝ていたいけど……でも目はすっかり覚めた。


そっとベッドから抜け出して、トイレに行くために部屋を出る。

まだ周りの人は寝てるから、起こしてしまわないように気をつけながら歩いていく。


廊下は常夜灯がついてるから歩くのに不便はない。

でも人の気配を感じずにシンとしているのは、少しだけ怖さを感じてしまう。

だから急いでトイレに行って用を足し、また急いで部屋へと戻る。


誰も起こさないように、慎重に。

そして自分のベッドに戻ったあと、近くに置きっぱなしにしていたカバンを漁り……スマホを取り出した。


昨日は結局スマホを見ることなく寝てしまった。

だから昨日の昼間以降、初めて電源をオンにする。


見慣れた待ち受け画面が表示された直後、何よりも先にメッセージアプリを開く。

そうするとすぐに先輩たちからの言葉が目に飛び込んできた。


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