心霊現象 研究同好会


「ごめんなさい……ぜんぜん、うまく…言葉が出てこなくて……」

『いやいや、全然。 俺は諏訪ちゃんの思いが聞けただけで満足だから。 んー、これでやっと安心して寝られるっ』

「……え、寝て、ないんですか……?」


『うん、神代んとこに泊まって一晩中作業してた。 サイトに連続で三つアップしたからあとでチェックしといてね。 いやぁ写真の整理が終わってると、記事にするのが(はかど)っていいねー』

「わぁ楽しみ…って、ちゃんと寝てくださいよっ」

『お、泣き虫モードは終了した?』


「泣いてませんっ」



もう……あまりにビックリして、声の震えも溢れ出しそうだった涙もどっかに行っちゃったよ……。



『ふふっ、元気になったようで何よりだよ。 あぁちなみに昨日のうちに学校のアプリ経由で臨時休校のお知らせが届いたんだ。 だから俺はこれから好きなだけ寝まくります』

「え? そうなんですか? ちなみに、休校の理由って……」

『理由は濁されてたけど、十中八九ソッチの出来事絡みだろうね』


「……ですよね。 毎年利用してる宿泊施設で遺体が見つかった…っていうのは、普通の人からしたらショッキングな出来事ですもんね……」

『だな。 とくに今年の一年生たちはその場所付近で肝試しをしてたわけだし、ショックを受ける生徒も多くなるだろうなぁ。 まぁ俺は休校が続けばこっちの作業が捗るからいいんだけど。 つーことでマジでそろそろ限界っ。 寝るっ。 お休みっ』

「え、あ、先輩っ……!?」



……切れた。

問答無用で切れた。

まぁ、それだけ眠気が限界だったってことかもしれないけど……。



「……まったくもう。 本当に先輩は、どうしようもないんだから……」



ハァ。 と息を吐いたあとに、ゆっくりと歩き出す。


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