心霊現象 研究同好会


一旦全員が体育館に入り、帰校式を行う。

そして最後にもう一度 学年主任の先生から今後の予定や注意点などが話され、式は終了した。


生徒はその場に座って待機して、保護者を待つ。

小中学校の時にやった「引き渡し訓練」と同じ要領なので、混乱なく進んでいく。



「じゃあ芽衣子、また学校でねっ」



と手を振った沙綾ちゃんが、保護者と一緒に帰って行った。

それとほとんど同じタイミングで穂乃果ちゃんも立ち上がる。



「バスの中で沙綾と話してたみたいだけど、私も同好会入るからよろしくね」

「うんっ、こちらこそっ」

「じゃあまた来週〜」



そうやり取りをしたあとに穂乃果ちゃんにも手を振って別れる。


もう半分くらいの生徒は帰ったみたいで、座る場所にもゆとりが出来てきた。

だから友達同士で近くに座り直す人も増えてきた……というか、「勝手に外に出なければ自由に座って喋ってていい」と先生側から言われるくらい、緩い雰囲気だ。


……そうなると当然、ヒーロー倉本くんは他の生徒に囲まれるわけで。

同好会メンバーである倉本くんに、沙綾ちゃんと穂乃果ちゃんが同好会に入るって話を共有しておきたかったんだけど……さすがに今は無理そうだから、あとでメッセを送ることにしよう。

と一人で静かに思ってる時に、近くにやってきた如月くんが声をかけてきた。



「なぁなぁ、桐生と住吉って同好会に入んの?」

「あ、うん。 秘密の共有する仲間だから、って。 同好会の方が色々自由に話せるしね」

「へぇー……じゃあ俺も入ろうかな」


「え、如月くんが? ……心霊写真を見たり、心霊スポットに行ったりする会なのに?」

「うっ…それは確かに怖いけど、でも俺だって仲間だし、いろんな話を共有したいじゃん。 ってなると透も誘うか。 ちょっと聞いてくる。 つーかこっちに呼ぶか」

「あっ……」



……行っちゃった。

そして物凄い速さで龍泉寺くんのところに行った如月くんは、その勢いのまま龍泉寺くんを連れてきた。


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