心霊現象 研究同好会
「さて透くんよ、俺はこれから心霊現象 研究同好会のメンバーになろうと思うのだが、君も一緒にどうかね?」
「うん、言われなくても元々入るつもりだったよ」
「あれ? マジで?」
「バスの中で桐生さんと話してて、だったら俺も入ろうかなーって思って。 蒼葉にはさっきもう伝えたよ。 あぁ諏訪さん、桐生さんと住吉さんが入るってことも俺から蒼葉に伝えておいたからね」
なんでもないような…というか当たり前のように言って笑う龍泉寺くん。
さ、さすがだ……。
「ちょっと待て。 お前、なんで俺に内緒で入会を決めてんだよ。 しかも蒼葉とは情報を共有済み? え、俺だけ仲間外れ? 酷くない?」
「だって裕翔は、怖いの無理でしょ?」
「無理だけどっ。 仲間外れにされるのはもっと無理だよっ」
「そう? じゃあうちの班は漏れなく全員入会ということで。 諏訪さん、後日会長さんのところに挨拶に行くから先に話を通しておいてね。 あ、うちの親も来たみたいだから俺も帰るね。 じゃ、お疲れ様ー」
そう言った龍泉寺くんは、最後まで爽やかな笑顔を崩さずに帰って行った。
……昨日も思ったけど、龍泉寺くんって結構クセがある人だなぁ……。
まぁ穂乃果ちゃんはまた「カッコイイ」って言いそうだけど。
「……ハァ。 とにかく、俺も入るからね。 同好会の先輩に、ちゃんと俺のことも言っといてな?」
「ふふっ…うん、大丈夫。 みんなのことをちゃんと話しておくよ」
と会話してる時、入口からおばあちゃんが入ってくるのが見えた。
そのおばあちゃんもすぐに私に気づき、ひらひらと手を振っている。
「うちも迎えが来たから、そろそろ行くね。 倉本くんにも挨拶…はちょっと出来なさそうだから、あとで連絡すればいいか。 如月くん、合宿中は色々ありがとう。 これからも同好会のメンバーとして仲良くしてね」
「うん、こちらこそ。 じゃあまた学校で」
「またねっ」
荷物を持って、笑顔で手を振る。
──こうして、私の高校生活 初めての行事は静かに幕を閉じた。