心霊現象 研究同好会
「俺はこれまでの経験から「自分は影響されない性質だ」って理解してるけど、芽衣子さんは違うよね? むしろ影響されまくるタイプだよね?」
「……はい……そうだと思います……」
「だったらこの先はもう一人で無茶はしないこと。 いい? わかった?」
「……はい。 すみませんでした……」
昨日からずっと、いろんな人に怒られてる……。
でもそれくらいヤバいことを一人でしようとしてた ってことだし、それに……それくらいみんなに心配をかけてしまった ということだ。
「……心配かけちゃって、ごめんなさい」
「うん、わかればいい。 ちなみにこの話は梨乃先輩にも共有済みだから、あとでキッチリお叱りを受けるようにね?」
「うぅ……はい……」
「じゃあ俺は何か飲み物を買いに行ってくるよ。 その間に芽衣子さんは先輩を起こしといてくれる? 早朝に電話で話したってことは聞いたけど、もう少し二人で喋った方がいいと思うから」
「……っ……ありがとうございますっ」
「どういたしまして」
私の頭をポンと叩いたあと、郁也先輩は部屋を出て行った。
……玄関の開閉音を聞いたあとに、フゥと息を吐く。
私と郁也先輩はずっと普通の声量で喋ってたけど、先輩は相変わらずスヤスヤと眠っている。
先輩は一睡もせずに明け方まで作業をしてて、そのあと私と電話して、少しは寝ただろうけど、すぐ私の家に来て挨拶をして……そのあとはまた作業。
という流れだろうから疲れてて当然だし、むしろもっと寝ててもいいくらいだ。
でも、せっかく郁也先輩が二人で話す時間をくれたのだから……気持ちよく眠ってる先輩には悪いけど、もう起こしてしまおう。
「……先輩。 桜井先輩…起きてください」
遠慮気味に肩のあたりを揺する。
そうすると先輩はピクッと反応したあとに、ゆっくりと目を開けた。