心霊現象 研究同好会


「ん……あれ……? 諏訪ちゃん……?」

「はい、私です」

「……あぁー……今、何時……?」


「えと…十七時を少し回ったところです」

「……んぅ……あと二時間……」

「あ、あのっ、お話がしたくてっ……。 でもごめんなさい、やっぱりまだ眠いですよねっ……」



先輩は虚ろな目で私を見てる。

瞼を閉じれば、またすぐに深い眠りに落ちそうだ。

こんな状態で話をするのは、やっぱり無謀だったかも……。



「………………神代は?」

「あっ……今は買い物に行ってますっ。 あのっ、あとでまた起こすので今は寝ちゃってくださいっ」

「…………んや、起きる。 大丈夫、起きるよ」


「無理はしなくて大丈夫ですよっ。 うちに挨拶に来てくれたり、作業をしてたりっ……多分あんまり寝てないでしょうからっ……」

「……うん、でももう起きる。 俺も諏訪ちゃんと話したい」



ふっ…と優しく笑ったあと、先輩は私の頬へと手を伸ばした。

そのまま、優しく撫でられる。



「ふふっ。 諏訪ちゃんの頬っぺた、ひんやりしてるね」

「……っ……ね、寝ぼけてないでっ、起きるなら早く起きてくださいっ……!!」

「えー酷いなぁ。 これは俺が俺の意思でやってるんだよ? ね、もっと近くで顔 見せて?」



聞いたこともないような甘い囁きに、顔がブワッと赤くなる。

こんな先輩ありえないっ。

絶対 寝ぼけてるっ……!!


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