心霊現象 研究同好会


「む、無理ですっ!! もう離してくださいっ!!」



と言いながら、先輩が離す前に自分から後ずさって距離を取る。

寝起きの先輩ヤバいっ。

いつもの先輩も思考が色々ヤバいけど、今は別の意味でヤバいっ!!



「ちぇっ。 ちょっとくらい良いじゃん」

「良くないですっ!! あ、あんなことしてっ…私の情緒を殺す気ですかっ……!?」

「話したいって言ったのはそっちじゃんかよー」


「距離があっても話せますっ!!」



人一人分くらいの距離を開け、いつでも逃げ出せるように警戒態勢を取る。

それを見た先輩は苦笑気味に笑ったあと体を起こして、グーッと背伸びした。

その間、私はずーっと警戒態勢を崩さない。

心臓が…落ち着かない。



「……諏訪ちゃん。 えーと、さっきはごめんね? 何もしないからこっちに座りな?」

「……」

「もう絶対しないって約束するから。 ね?」



すっごく困ったような顔をしてる。

まるで叱られたあとのワンコのようだ。


……先輩は、ズルい。

そういう顔をされたら、許さない私が悪いみたいじゃん。



「……ああいうのは、今後はやめてくださいね」

「うん、嫌な思いをさせちゃってごめん」

「嫌…っていうわけじゃなくて……ビックリしたんです。 本当に本当にビックリして……だからもう、しないでください」


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