心霊現象 研究同好会
「あのあとどうなったかな、と思って。 ……え、今ですか? 今はウチの後輩の家に居ますよ。 場所? 学校の近くの……って、まさかこれから来る気ですか? ……いやいやいや、さすがにちょっと待ってください。 俺だけじゃ決められないんで。五分…いや十分後にかけ直しますんで、それまでどっかで待っててください。 いいですね? はい、じゃあ切りますよ? はい。 はーいまたあとでっ」
……って、二分ほどで電話を切ってしまった。
なんだか、凄く嫌そうな顔だ。
「……えーと、智樹先輩がここに来たいって言ってるんだけど、俺の独断で呼ぶわけには行かないから神代に連絡して聞いてみるね」
「あ、了解ですっ」
「……ハァ……」
……あからさまに嫌そうな顔だ。
いつもの先輩なら幽霊絡みの話なら喜んで聞くだろうに、どうしたんだろう?
「……あぁもしもし神代? 実は昨日話した智樹先輩が今から来たいって言ってるんだけど……って、え? マジで? うわぁ、マジか……。 あー、一応聞くけど、神代の判断は? ……ですよね。 はい、了解です。 うん、はい、わかった。 はい、はい、はい。 じゃああとで」
……電話の最後らへん、すっごい適当に返事してた気がする。
そしてそのあとまた、大きな大きなため息をついた。
「……ハァー……。 どうやら智樹先輩は近所のスーパーに居るらしくて、同じ場所に神代も居るんだとさ。 で、先輩が電話口で俺の名前を呼んでたから「もしかして」と思ってたところに、今度は俺が神代の方に電話をかけた、と。 で、そこに居るのが智樹先輩だって確信したっぽい。 んで、家に呼ぶのは全然オーケーだから声をかけてきます、ってさ」
「な、なるほど……」
「……それでね、先輩は「今 彼女も一緒に居るんだけどー」って言ってたから、多分そのまま彼女さんも一緒に来ると思う。 ハァ……俺あの人 苦手なんだよなぁ……」