心霊現象 研究同好会
先輩が言ってた通りの、凄く綺麗な人だ。
落ち着きがあって、優しい雰囲気で、とてもじゃないけど先輩が言ってたような無視をしたり睨んだりしてくるような人には見えない。
「初めまして、紗良さん。 よろしくお願いしますっ」
「こちらこそよろしくね。 芽衣子ちゃんも智樹と同じで不思議なモノが見えるんですってね。 それと、ここに来るまでの間に聞いたけど郁也くんも同じような体質らしいじゃない? こんなに近しいところに見える人間が三人も居るなんて、案外世間は狭いのねぇ。 あ、もちろん私も嫌厭なんかしないから安心してね」
「……はい、ありがとうございますっ」
わぁ……ニコッと笑う姿が、また超綺麗……。
「……紗良先輩、お久しぶりです。 俺のこと覚えてますか?」
と、凄く緊張した面持ちの桜井先輩が声をかける。
そんな先輩をチラリと見た紗良さんは、小さく息を吐いてから真っ直ぐに先輩の方へと向き直った。
「健吾くん、久しぶりね。 私があなたのことを忘れるわけないでしょう?」
「……」
「そう、忘れるわけがない。 忘れるわけがないわ。 だってあなたはいつも私の邪魔をしてっ……。 毎日毎日 私を差し置いて智樹を独り占めしてたこと、ずーっと忘れないからねっ」
「……はい?」
ん?
え?
えーと……いったい、何を言ってるんだろう……?
とポカンとするのは私だけじゃなく、桜井先輩も言葉の意味がわからないらしく ただただ口をあんぐりと開けている。