心霊現象 研究同好会


「高校を卒業してやっと智樹との時間を独占出来ると思ったのに、また目の前にあなたが現れた。 そして智樹はまたあなたの話ばっかりっ。 もうっ、どうして私の時間を邪魔するのよっ」

「……えぇ……先輩が俺に冷たかったのって、それが理由だったんですか……?」

「えぇそうよ悪いっ? あなたは私のことを嫌な女って思ってたでしょうねっ。 そうよ私は嫌な女なのよっ。智樹があなたのことばかり話すから嫉妬してたのっ。 だってズルいじゃないっ。 私の方がずっと一緒に居るのに智樹はあなたのことばっかりっ。 そんなのズルいわっ」


「……いや、それは俺に文句を言うんじゃなくて智樹先輩に言ってくださいよ……」

「いつも言ってるわっ。 だけど智樹はずっとあなたのことをっ……──」



……あ。

智樹さんが紗良さんの口を塞いだ。

唇と唇を重ね合わせるという、物理的な方法で。



「紗良。 近所迷惑だから騒がないで」

「──……っ……だ、だって……!!」

「俺の体質のこと話しただろ? 桜井の色は特別なんだよ。 だから俺はコイツに興味があるし、その話を紗良と共有していきたいって思ってるんだ。 なのにそういう態度を取られると悲しくなる。 紗良に何も教えない方がよかったんじゃないか、って凄く辛くなるよ」


「…………ごめんなさい…………」

「でも、俺が悪かったのは事実だね。 高校ん時に桜井とばっかり一緒に居たことは謝るよ。 紗良を不安にさせたことは本当に申し訳なく思ってる。 本当にごめん。 だけど俺が一番大事に思ってるのは紗良だよ。 紗良以外には居ないんだ」

「……智樹っ……!!」



……って、私たちはいったい何を見せられているんだろう……。


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